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チチハル扎龍温泉会館

場所

中国チチハル市铁峰区

主要用途

日帰り温泉、貸切温泉、休憩、レストラン

延床面積

5,911sqm

施主

明道集団

設計期間

2011-14年  

状態

施工中

其他

照明デザイン:角館政英,サインデザイン:氏デザイン

□この温泉会館は、黒竜江省チチハル市郊外、扎龍温泉施設群計画の第二期にあたる。一期の鶴之湯養生館は水着着用で入る大衆的レジャー施設としての要素が強いのに対し、この施設は温泉でゆっくりリラックスするためのものである。

求められたのは、日帰り温泉と貸切風呂、両者が使用できるレストランと付属施設であり、これらを1社の運営会社が統一管理ができるようにするということだった。私たちはまず全体計画に沿い、湿地に向けて伸びる細長いボリュームを連続させたような構成とし、それぞれに切妻屋根をかけることで軸線をより強調した。また、そうすることでボリュームの圧迫感を落とすことも狙っている。
エントランスホールは全体計画における温泉商業街から少し入り込んだところに配置し、商業街からはいったんゲートをくぐってアプローチするようにした。それは一期のレジャー的施設とは異なった落ち着きを確保するためである。ボリュームと同じように切妻屋根をかけたゲートはエントランスホールの正面に配置してあり、アプローチする時からすでにゲートとホールを通した湿地への強い軸線を感じられるようにしている。このエントランスホールは日帰り温泉と貸切温泉の共通のホールであり、そこから左右にわかれてそれぞれの機能に向かうようにした。ホールの奥側、つまり湿地に面したところは一面ガラスカーテンウォールにしてあり、日帰り温泉と貸切温泉両方の客が使えるレストランを置いている。
貸切温泉はホールに入って右側にあり、奥に進んだところに再度受付を設置した。貸切風呂は4タイプ計20室用意してあり、それぞれ異なった空間を楽しめるようにしている。
日帰り温泉はホールに入って左側にあり、湿地に向けて伸びる岩風呂と木風呂の2種類の浴場空間をつくり、日ごとに楽しめるようようにしている。2つの浴場の間には、男女が合流しともに休憩できるスペースを設けている。そこはドリンクやフルーツなどを無料で提供するカウンターを中心に、自由に寝転がれる畳の桟敷スペースなど休憩機能を配置している。

□カーテンウォールについて
この日帰り温泉において、カーテンウォールの腐食の解決が重要なポイントになった。岩風呂と木風呂それぞれの空間は、外に向かって開いたガラスカーテンウォールにしている。このカーテンウォールは高さが最高箇所で11.3mあるため、構造計算上、アルミ方建の背後に鉄骨の方建が必要となった。しかし浴場空間は湿度のため腐食可能性が高く、鉄骨方建を室内側に設置することはできない。もちろん、極寒地でペアガラスが必須のためガラスリブによるカーテンウォールも使えない。そこでカーテンウォール枠とスチール方建を合わせて室内外逆使いとした。カーテンウォールの防水性能が多少劣るものの、室内側は浴場であることから大きな問題にはならないと判断し、室内側に鉄骨構造一次部材が現れないように配慮した。